「油で煮るから揚げ」を作りました。
サタデープラスで水島弘史さんが公開していたレシピで、低温・弱火で作る「油で煮るから揚げ」です。ネーミングと調理方法の面白さが気になって、できるだけ正確に真似てみました。
主な材料は鶏もも肉と卵です。
では、作り方と作った感想です。
内容
作り方
材料:2人分
鶏もも肉 | 200g |
塩 | 1g |
しょうゆ | 15g |
砂糖 | 4g |
日本酒 | 8g |
おろしショウガ | 10g |
おろしニンニク | 4g |
コショウ | 少々 |
溶き卵 | 15g |
片栗粉 | 15g |
打ち粉の片栗粉 | 適量 |
サラダ油 | 適量 |
作り方
- 鶏もも肉を食べやすい一口大に切る。
- 塩、醤油を加えて揉み込み、砂糖・日本酒、ショウガ・ニンニク・コショウ、卵・片栗粉を順に加えてよく混ぜ合わせ、15分置く。
味、香り、衣になるものを分けながら加えることによって、味がしっかりなじむ。
- 鶏の一つ一つの表面に片栗粉を再度打ち、フライパンに底一面になるくらいのサラダ油を引いて、肉をのせる。
- 上から鶏肉の高さのヒタヒタ弱までサラダ油を回しかける
全体を油でコーティングして、衣をはがれにくくする
- 弱火~弱い中火で加熱し、泡が出てきたら火を止める。(約3分ほど、100℃ぐらいになると泡が出てくる。)火を消して1分経ったらもう一度火を付け、泡がでたら止めてを繰り返す(だいたい2回くらい繰り返す)。8分経ったら裏返す。
- 裏返したら約3分弱火で火入れし、いったん取り出す。※サタプラの公式サイトだと約5分、放送では約3分、書籍では約3分という説明になっていました。
キッチンペーパーの上に置くと衣がはがれる原因になってしまうので、バットの上に置く。
- 強火にして油を熱し(書籍では190℃~200℃)、鶏肉を戻し、転がしながら色がつくまで揚げ焼きにする。
情報元:サタデープラス 弱火料理人に教わる料理を美味しくする新常識 水島シェフ「油で煮るから揚げ」2017.07.22
※温度や時間が不明瞭な点だけ、こちらの書籍を参考にさせて頂きました。
では、作ってみます!
水島流「油で煮るから揚げ」を作ってみました!
鶏肉に下味をつけて置く
鶏もも肉を食べやすい一口大に切っておきます。
塩、醤油を加えて揉み込み、砂糖・日本酒、ショウガ・ニンニク・コショウ、卵・片栗粉を順に加えてよく混ぜ合わせ、15分置いておきます。
味になるもの(塩、しょうゆの後に砂糖・日本酒)、香りになるもの(しょうが・にんにく・こしょう)、衣になるもの(卵・片栗粉)と順に入れることで、肉にしっかり味がなじませるのがポイントだと解説していました。
片栗粉を付けて油で煮る
鶏の一つ一つの表面に片栗粉を再度打ち、フライパンに底一面になるくらいのサラダ油を引いて、肉をのせます。
さらに上から鶏肉の高さのヒタヒタ弱までサラダ油を回しかけます。
全体に油をかけることで、衣がはがれにくくなるのだそうです。
弱火~弱い中火で加熱し、泡が出てきたら火を止めます。
この間約3分ほどで、100℃ぐらいになると泡が出てくると話していました。
弱火の油で煮ることでゆっくり火が入り、中がジューシーなままの出来上がりになると解説していました。
私は泡が出るまで、約3分30秒ほどかかりました。
火を止めて1分したらもう一度火をつけ、泡が出たら止めてを繰り返します。火をつけた時点から8分(最初に火を止めた時から5分)経ったら裏返します。
裏返したら約3分弱火で火入れし、いったん取り出します。
サタデープラスの公式サイトではここが5分となっていたのですが、同放送内では約3分、書籍でも約3分と説明されていたので、約3分少々で作りました。
この段階ではキッチンペーパーの上に置くと衣がはがれる原因になるので、バットの上に置くとよいと説明がありました。
サクサクした感じは0で、べったりした出来上がりになりました。
強火で揚げ焼きにする
強火にして油を熱し(放送では温度の説明なし、書籍では190℃~200℃)、鶏肉を戻し、転がしながら色がつくまで揚げ焼きにします。
さっきまでべたべたしていたから揚げが、裏返してみると竜田揚げのような少し白い色がついて衣感が出てきました。
揚げ時間はサタデープラスの放送だと30秒、書籍だと1~2分と説明があったのですが、私の時は30秒だとサクサクが足りず、結局約1分半くらいは揚げていました。
盛り付ければ出来上がりです。
できました。
では、いただきます。
感想
良かったところ
お肉が柔らかいのはわかる仕上がり
お肉は油に浸っている時間が長かったせいか、単に柔らかさが残っているだけではなくてオイル漬けにしたような、しっとり感やもちもちとしたハリがあるように感じます(でも油っぽくはない)。
お肉の柔らかさは実感できるほどで、作る前の計量の時は「もう作りたくない」という気持ちに傾いていたんですが、食べてみて、「これならもう一度作ってもいいな」というところまで気持ちが動いたから揚げでした。
衣のサクサクもところどころにあって、今まで食べたものの中だと普通より少しサクサクというところで、許容範囲の出来上がりでした。
今まで唐揚げは土井善晴さんと小林カツ代さんのレシピを作ったことがあるのですが、土井さんは「しっかりした下味で衣硬めが好きな向きの居酒屋風唐揚げ」、小林さんは「昔ながらの安心感のあるから揚げ」、そして今回のから揚げは「良いお肉を使って丁寧に作ったのかなと思わせるような、少し高級なから揚げ」の印象を持ちました。
味付けもしょうがが少し効いているところが良く、塩分の強さもそのままでもご飯とあわせてもどちらでもいけるいいところにおさまっていて好みでした。
気になったところ
料理というよりは実験をしているような気分になり手軽さには欠ける
レシピのネックは、計量に手間がかかるところと、時間測定がまるで何かの実験・あるいは研究をしているような気分になるところです。
計量の所が全部g単位表記なので、普段計量スプーンでやることを一つ一つはかりで計量するところは、手間に感じました。
また、低温揚げの時間測定も、入れ始めの時間と裏返す時間、あと1分測定も管理しないといけないので、私は時間を紙にメモしながら作りました。
その点、簡単でおいしいから揚げを探している人には合わないレシピだといえるでしょう。
高温で揚げるときは鍋蓋でガードした
あと、このレシピは低温で揚げるので油はねもなくキッチンが汚れない!という風に紹介されていたんですが、高温で揚げる所で油が時々はねることがあったので、高温なのもあって鍋の蓋を盾代わりにして調理しました。
ただ、「ものすごいはねる」ということではなく、「全くはねないわけではない」ということですね。
結論:材料は全部g単位で調理も細かい時間管理が必要なので、普段づくりには不向きなレシピでした。ただ、お肉の柔らかさは実感できるほどで、高級なから揚げのような出来上がりになるので、から揚げをさらに極めたい人や、腕まくりして作りたい時には選択肢としてありだと思いました。
おすすめレシピ!
弱火調理で油で煮て作る、から揚げレシピ。
お肉は油が少し馴染んで、柔らかいだけじゃなくてしっとりさと少しの弾力を帯びていて、お肉の柔らかさは食べてみて実感できる出来上がりになっていました。
衣も普通より少しサクサクという出来上がりになっていて、味付けも良く、高級、あるいは上品なから揚げという言葉が似あう唐揚げレシピでした。
初めて作ってみて学んだ点は、時間管理はあらかじめ複数タイマーかメモ用紙を用意しておいた方がよいというところと、最後の高温揚げは秒数で見るよりも見た目の衣の様子をみて判断したほうがよりうまくしあがったというところです。
長いとせっかくのお肉が硬くなっちゃうかなと思い最初は30秒くらいで揚げてしまったのですが、私の時はそれでは衣のカリカリが足りず、少し揚げ時間を追加して丁度よかったです。それでもお肉の柔らかさは実感できるほどに残っていました。
計量や時間測定が細かいので、簡単でおいしいから揚げレシピを探している人には不向きですが、もっとおいしいから揚げを突き詰めたい人には作る価値は十分にあるレシピと言えるでしょう。
たまにバッチリおいしい何かを作ろうと思った時の選択肢に、入れておきたいレシピでした。